自社の状況分析② 「損益分岐分析」
2009年11月11日
こんにちは。
税理士の森田です。
今回は自社の財務状況を分析する上で
最も重要なものの一つ「損益分岐分析」をご紹介します。
なお、会計知識があまり無くてもわかりやすいように、
「ざっくりとした計算方法」をご紹介しますのでご了承ください。
まず、ある月の試算表の数字が以下のような数字だったとします。
売上高 500万円 (100%)
売上原価 350万円 ( 70%)
売上総利益 150万円 ( 30%)
販売費及び一般管理費 210万円(ほぼ毎月一定)
営業利益 ▲60万円
営業利益が60万円の赤字になってしまっていますが、
この場合、「いくら売上高があれば、営業利益が0(つまり赤字が消える)」でしょうか?
そこでまず注目するのが「販売費及び一般管理費」です。
「販売費及び一般管理費」はおおよそ毎月一定額である前提で考えると
売上総利益が210万円あれば、営業利益が0円になりますよね。
そして次に注目するのが「売上総利益率」です。(上記では30%ですね。)
売上総利益は売上高に比例して増加していきますから、
「売上総利益率」は原価率が変わらない限り常に一定になります。
そこで売上総利益が210万円、売上総利益率が30%の場合の売上高
を計算してみますと
210万円 ÷ 30% = 700万円
つまり、700万円の売上高があれば、営業利益がとんとんになりますので、
損益分岐点売上高は700万円、ということになりますね。
ですからこの会社が黒字転換するためには以下の努力をする必要がある訳です。
①毎月700万円以上の売上高を計上する
②販売費及び一般管理費≒固定費 を引き下げる
試算表を見ることで、目標となる売上高などがざっくりとですが
すぐに計算できるようになります。
応用すれば「営業利益が100万円になるための売上高」や
「固定費を180万円に引き下げた場合の損益分岐点売上高」
なども計算できますので、経営計画を立てるうえでのシュミレーションに役立ちます。
以上、皆様の参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
森田税理士・社労士総合事務所
税理士 社会保険労務士 森田 健一
2009年11月11日|コメント (0)|トラックバック (0)
カテゴリー:儲けを生み出す仕組み作り
自社の状況を分析する①重複・漏れのない分類をする
2008年11月 5日
自社の状況を分析するにあたり、まず行う作業が「分類わけ」です。
そこで気をつけないといけないのが、分類わけをするにあたっては
「重複・漏れのない分類をする」ということです。
(経営コンサルティング会社のマッキンゼーでは重複・漏れのない分類の事を
「MECE(ミッシー)」と呼んでいるそうです。)
たとえばある飲食店で「最近売上が落ちてきている」という場合。
「売上が落ちている」だけでは分析のしようがありませんから、
売上項目をMECEに分類します。
たとえば
- ランチタイムの売上
売上 -|
- ディナータイムの売上
このような形。
そしてランチタイムの売上とディナータイムの売上をさらに
商品別・顧客年齢別などにMECEに分けてどの部分の売上の減少が大きいかを
分析します。
- Aランチセットの売上
- ランチタイムの売上 - |
売上 -| - Bランチセットの売上
- Cディナーコースの売上
- ディナータイムの売上 -|
- Dディナーコースの売上
重複なく・漏れなく細かく分類することで、状況分析の糸口が見えてくる訳ですね。
「MECEではない分類」としては少々極端な例ですが、
例えばアンケートに答える場合に、
「あなたの職業は?いずれかに○をつけてください
①会社員 ②自営業 ③ 専門職 ④パート・アルバイト 」
このような項目があったとします。
私の場合は税理士ですから②の自営業にも該当しますし、④の専門職にも該当しますから
回答するのに困ってしまいます。(重複のある分類)
また公務員の人はどうでしょうか?①~④すべてに該当しない訳ですから、
やはり回答することができません。(漏れのある分類)
このように重複や漏れがあるような分類が「MECEではない分類」になります。
このようなMECEではない分類を行っても、状況をすっきりと分析することはできなくなります。
問題点が生じた時になかなか解決の糸口が見つからない時は
「MECE」により細かく分類わけをすることで状況の分析を行う糸口が
見えてきます。
以上、少しでも皆様の参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
2008年11月 5日|コメント (0)
カテゴリー:儲けを生み出す仕組み作り
神戸税理士通信 / 成功までのスピードを速める③
2008年10月11日
「PDCAサイクル」
前回、前々回と成功までのスピードを速めるためには
いい失敗を「早く」「数多く」すること、と書きました。
ただ「いい失敗」を効率よくノウハウにつなげるように、
実行後検証するシステムを作る必要があります。
そこで意識すると良い考え方が「PDCAサイクル」です。
PDCAサイクルとは、以下のようなサイクルを言います。
P(PLAN)・・計画 ⇒ D(DO)・・計画の実行
↑ ↓
A(Action)・・改善後行動 ← C(Check)・・実行内容の検証
例えば経営計画の立案の場合。
幣事務所でも「経営計画の立案」をよくお手伝いするのですが、
計画は立てっぱなしでは効果半減です。
手順としては
①Plan 経営計画を立案する
②Do 計画が目標どおり進むよう計画を実行する
③Check 一定期間ごとに目標と実績との差異を検証、分析する
④Action 差異の原因が分かれば改善案を出し、それを実行する
この繰り返しで少しずつ業務の質が向上し、目標達成に近づいていきます。
新しいことに挑戦したときは当然のことながら
計画どおり進むことの方が少ないです。
ですから最初の計画の段階では大雑把で構いませんので
とにかくまずは「やってみること」ですね。
(お客様にあまりにも多大な迷惑を掛けてしまう場合は熟考の必要がありますが・・。)
そして大雑把な計画でとりあえず「やってみる」訳ですから、
当然失敗が出てきます。
その失敗を「宝」と出来るかどうか。
失敗の原因をチェックした上で、早急に改善案を出します。(ここのスピードが大事です。)
次同じ状況になったときに、今度は前よりは良い結果が出れば、
この積み重ねが「ノウハウ」につながります。
このサイクルのスピードを速める。するとノウハウの蓄積がどんどん進むわけですから、
企業も成長していく訳ですよね。
以上、少しでも皆様の参考にしていただければ幸いです。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
2008年10月11日|コメント (0)|トラックバック (0)
カテゴリー:儲けを生み出す仕組み作り
神戸税理士通信/成功までのスピードを速める②
2008年10月 1日
成功までのスピードを速める②
「良い失敗」と「悪い失敗」
前回の税理士通信で
「失敗を早く、数多くすることで成功までのスピードが速くなる」
と書きました。
ただし、当然なんでもかんでも失敗することは事業の衰退につながります。
それでは良い失敗と悪い失敗とはどういうものでしょうか?
良い失敗とは
・今までとは違うことに挑戦した上での失敗。⇒ノウハウにつながる。
・とれるリスクの許容範囲内の失敗。⇒次のチャンスがある。
悪い失敗とは
・前と同じ失敗を繰り返した失敗。⇒ノウハウにもならず、信用を失うだけ。
・即退場となってしまうようなリスクが大きすぎる失敗⇒次のチャンスがない。
同じ失敗を何度も繰り返すのはもちろん論外ですね。
また何か新しい挑戦をするにあたっても、がむしゃらに突き進むのではなく、
「リスク」と天秤にかけないといけません。
常に「最悪の事態」を考慮して、その上でGOサインを出す必要があります。
しかしこのあたりの「バランス」が難しいところではありますね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
2008年10月 1日|コメント (0)
カテゴリー:儲けを生み出す仕組み作り
神戸税理士通信 / 成功までのスピードを速める①
2008年9月29日
成功までのスピードを速める①
「失敗の数」と「成功までのスピード」の関係
「失敗は成功のもと」という言葉。
幼い頃から私もよく聞かされてきました。
しかし税理士として多くの企業経営をみてきて思うのですが、
この言葉は経営者が事業を成功させるにあたり
非常に重要な言葉だと思います。
というのが、「失敗」することによって、「うまくいかないやり方」に気づくことができます。
ですから次に同じような状況になったときに
前に失敗した「うまくいかないやり方」を避けることができるわけですから
うまくいく確率が当然上がりますね。
「いい失敗」を早く、数多くすることにより
うまくいかないやり方をたくさん覚えていわゆる「ノウハウ」が
早く、数多く蓄積されていきますから、
「失敗の数」と「成功のスピード」は比例する訳ですね。
つまりは「いい失敗」を早く、数多くすることが「成功」への近道となるのです。
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カテゴリー:儲けを生み出す仕組み作り